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会社を辞めると、会社の健康保険は退職日で終わります。そのあとも病院で保険証を出して通うには、自分で新しい健康保険を選んで手続きをする必要があるんですね。協会けんぽの案内でも、退職後も保険診療を受けるには、新たに健康保険へ加入しなければならないとされています。
選べる道は、次の3つです。
- 任意継続(今の健康保険に、最長2年間残る)
- 国民健康保険(国保。住んでいる市区町村で入る)
- 家族の健康保険の扶養に入る
迷いやすいのは、手続きの期限が違うことと、失業手当をもらうと扶養に入れなくなることがある点です。この記事では、期限、保険料の決まり方、比べる順番を整理しました。
この記事は体験談ではありません。協会けんぽ、厚生労働省、日本年金機構などの公開ページで確認できた内容だけを書いています。確認したのは2026年10月17日です。保険料や制度は変わることがあり、加入している健康保険によっても違うので、手続きの前には最新の案内を見てください。
先に結論:比べる順番は「扶養に入れるか」→「任意継続と国保」
迷ったら、次の順番で考えると整理しやすいですね。
- 家族の扶養に入れるかを確認する(入れれば、本人の保険料の負担はありません)
- 入れないなら、任意継続と国保の保険料の見積もりを取って比べる
- 期限(国保は14日以内、任意継続は20日以内)を、先にカレンダーに書いておく
扶養は、被扶養者の保険料負担がないので、条件に合えば一番負担が軽い選択肢です。ただし収入の条件があって、失業手当をもらう人は条件から外れることがあります。くわしくは後半で説明します。
退職後の健康保険、3つの選択肢を一覧で比べる
| 項目 | 任意継続 | 国民健康保険 | 家族の扶養 |
|---|---|---|---|
| 手続き先 | 加入していた協会けんぽの支部(健康保険組合の人は組合) | 住んでいる市区町村の国保の窓口 | 家族の勤務先を通じて、家族が加入している健康保険へ |
| 期限 | 退職日の翌日から20日以内(20日目が土日祝なら翌営業日、郵送は必着) | 14日以内 | 家族の勤務先と加入先の健康保険に確認 |
| 保険料 | 退職時の標準報酬月額×都道府県の保険料率(在職中の約2倍、上限あり) | 前年の所得、世帯の人数、市区町村の算定方法で決まる | 被扶養者の保険料負担はない |
| ほかの特徴 | 最長2年間。被扶養者の保険料負担はない | 世帯の加入者ごとに計算して合計する | 年間収入などの条件がある |
任意継続の「20日以内」は協会けんぽ、国保の「14日以内」は厚生労働省の案内で確認した数字です。健康保険組合に入っていた人は、任意継続の手続き先や期限が組合ごとに案内されているので、会社の健康保険組合の案内を確認してください。
任意継続:保険料は在職中の約2倍、期間は最長2年
任意継続は、辞める前に入っていた健康保険に、退職後もそのまま残る制度です。協会けんぽの案内では、主に次のことが書かれています。
- 退職日までに被保険者の期間が継続して2か月以上あること
- 退職日の翌日から20日以内に申請すること(20日目が土日祝のときは翌営業日。郵送は20日以内に必着)
- 加入できる期間は2年間
- 保険料は、退職時の標準報酬月額に都道府県ごとの保険料率をかけて計算する。標準報酬月額が32万円を超える人は、32万円で計算する
- 在職中は会社と折半だった保険料を、全額自分で払う。そのため目安は在職中の2倍。都道府県によっては2倍にならないこともある
- 保険料は毎月10日までに納める。納付期限までに払わないと、任意継続の資格を失う
- 被扶養者を入れても、被扶養者の保険料負担はない
たとえば、標準報酬月額が30万円で、保険料率を10%と仮定すると、毎月3万円です。この10%は計算をわかりやすくするための仮の数字で、実際の保険料率は都道府県で違います。自分の分は、協会けんぽの都道府県別の保険料率で確認してください。
任意継続は、傷病手当金と出産手当金を除いて、在職中とほぼ同じ給付が受けられると案内されています。また、希望して申し出れば、途中で抜けることもできます。就職して別の健康保険に入ったときも、資格を失います。
国民健康保険:前年の所得と世帯の人数で決まる
国保は、住んでいる市区町村の国保の窓口で手続きをします。厚生労働省の案内では、国保に入るときの届出は14日以内です。
保険料は、世帯単位で算定し、世帯の加入者ごとに計算して合計します。具体的な計算方法や納める期限は、市区町村の条例で決まっているので、同じ年収でも住んでいる場所で金額が変わります。協会けんぽの案内では、前年の所得、世帯の人数、市区町村の方法で決まると書かれています。
前年の所得で計算するところは、押さえておきたい点ですね。退職した直後は、収入が減っていても、保険料は在職中の所得をもとに計算されます。所得が低い世帯には、保険料のうち均等割・平等割の部分を7割、5割、2割減らす制度があります(厚生労働省)。そのほか、市区町村によっては減免の制度もあるので、窓口で聞いてみてください。
国保の手続きでは、会社の健康保険の資格喪失証明書などが必要になることがあります。会社から受け取れないときは、年金事務所で発行してもらえると協会けんぽが案内しています。
会社都合や雇い止めで辞めた人は、国保の保険料が軽くなる場合がある
倒産や解雇などで会社を辞めた人は、国保の保険料が軽くなる制度があります。厚生労働省の案内で確認できた内容は、次のとおりです。
- 対象は、雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇などで離職した人)と、特定理由離職者(雇い止めや、病気など正当な理由のある自己都合で離職した人)
- 前年の給与所得を、30分の100として保険料を計算する
- 期間は、失業したときから、その翌年度末まで
- 届出が必要かどうかは、この案内には書かれていないので、市区町村の窓口に確認する
自分が対象になるかは、離職票に書かれた離職理由で決まります。自己都合と会社都合の違いは、退職後の失業保険・手続き完全ガイドでも整理しています。
家族の扶養:保険料はかからないけれど、収入の条件がある
家族の健康保険の扶養に入ると、被扶養者としての保険料は払わなくて済みます。手続きは、家族の勤務先を通じて、家族が入っている健康保険に行います。
協会けんぽと日本年金機構の案内で確認できた収入の条件は、次のとおりです。
- 年間収入が130万円未満であること(60歳以上、または障害厚生年金を受けられる程度の障害のある人は180万円未満。19歳以上23歳未満の人は、配偶者を除いて150万円未満)
- 同居している場合は、年間収入が、扶養する人(被保険者)の年間収入の2分の1未満であること
- 別居している場合は、扶養する人からの仕送りの額より少ないこと
- 令和8年4月1日以降は、給与収入だけの人の場合、労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入が130万円未満であれば、原則として被扶養者として扱われる
同じ条件でも、扶養に入れるかどうかの最終的な判断は、加入先の健康保険が行います。手続きの前に、家族の勤務先に条件と必要な書類を聞いてください。
失業手当をもらうと、扶養に入れなくなることがある
ここは、見落としやすいところです。日本年金機構の案内では、雇用保険の基本手当(失業手当)などの給付を受ける人は、日額3,611円以下であれば、年間収入の条件を満たすとされています。基本手当の日額が3,612円以上になる場合は、支給が始まったときに、扶養から外れる届出が必要です。待期期間の間は、収入の条件を満たしていれば、被扶養者として認めてもらえます。
失業手当の日額は、辞める前の賃金によって決まります。別の記事で例に出した、直前6か月の賃金が月25万円の人なら、賃金日額は約8,300円です。基本手当日額は、賃金日額のおよそ50〜80%なので、計算の上では3,612円を超えます。つまり、失業手当をもらう人は、もらっている間は扶養に入れない可能性が高いと考えておいたほうがいいですね。
自己都合で辞めると、手続きのあとに7日間の待期があり、そのあとに原則1か月の給付制限があります(離職日が令和7年4月1日以降の場合)。給付制限の間の扶養の扱いは、今回確認した公開ページでは分かりませんでした。加入先の健康保険や年金事務所に確認してください。
失業手当の金額や日数の決まり方は、退職後の失業保険・手続き完全ガイドにまとめています。
期限をまとめると:任意継続は退職日の翌日から20日以内
期限が短いのは、国保と任意継続です。先にカレンダーに書いておきましょう。
- 国民健康保険:14日以内(厚生労働省)。数え始める日や、過ぎたときの扱いは、市区町村の窓口で確認
- 任意継続:20日以内(20日目が土日祝なら翌営業日。郵送は必着)
- 家族の扶養:家族の勤務先と、加入先の健康保険に確認
退職日を月末にするか月の途中にするかで、社会保険料の扱いも変わります。くわしくは月末退職と月の途中の退職で、社会保険料が変わる理由で説明しています。
退職前にやっておくことチェックリスト
退職してからだと、期限に追われます。辞める前に、次のことを済ませておくと楽ですね。
- 任意継続の見積もり:退職時の標準報酬月額を会社や給与明細で確認し、協会けんぽの都道府県別の保険料率で計算する
- 国保の見積もり:市区町村の窓口やホームページで、保険料の目安を確認する(前年の所得が分かるものを手元に)
- 家族の扶養:扶養に入れる条件と必要な書類を、家族の勤務先に確認する
- 会社から受け取る書類:離職票(失業手当や、国保の軽減に使う)、健康保険の資格喪失証明書(国保の手続きで求められることがある)
- 通院中の人:高額療養費の多数該当は、国保や扶養に入ると該当しなくなるので、協会けんぽの案内を確認する
転職先が決まっていないなら、働き口の相談も並行して
退職後の健康保険は、無職の期間が長くなるほど、保険料の負担が続きます。次の勤め先が決まっていない人は、転職の相談を早めに始めておくと、無職の期間を短くできるかもしれません。
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退職後の健康保険でよくある疑問
転職先がすぐ決まっているときも、手続きは必要ですか?
協会けんぽの案内では、日を空けずに新しい勤務先の健康保険に加入する場合を除いて、退職後は新たに健康保険を選ぶとされています。入社日が決まっているなら、新しい会社の健康保険に入る流れです。退職日と入社日の間が空くときは、その間の保険をどうするか、先に確認してください。
任意継続の保険料を払い忘れたら、どうなりますか?
協会けんぽの案内では、納付期限までに保険料を納めなかった場合は、任意継続の資格を失います。毎月10日までに納める必要があるので、口座振替にしておくと安心です。前納(まとめて先払い)にすると、割引が受けられる制度もあります。
任意継続を選んだあとで、国保に変えることはできますか?
協会けんぽの案内では、任意継続をやめたいと申し出たときは、資格を失う扱いになります。そのあとで国保に入る手続きが必要になるので、手続きの順番や期限は、市区町村の窓口と協会けんぽの支部の両方に確認してください。
国保の保険料はいくらくらいになりますか?
市区町村ごとに計算方法が違い、前年の所得や世帯の人数でも変わるので、一律の金額は言えません。市区町村の窓口やホームページで、見込みの金額を教えてもらえることが多いです。
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