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退職の意思を伝えることばかりに気を取られて、失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きを後回しにしていませんか。失業保険は退職すれば自動で振り込まれるものではなく、自分でハローワークに行って手続きをしないともらえません。
この記事ではもらえる条件・金額と日数の目安・手続きの流れ・持ち物・認定に必要な求職活動までを順番にまとめました。数字や条件はハローワークインターネットサービスなど公開されている情報で確認した内容です(2026年10月時点)。退職前に一度流れをつかんでおいてください。
失業保険をもらうための条件
失業保険(基本手当)を受け取るには、主に次の2つを満たす必要があります。
- 失業の状態にあること
- 雇用保険の被保険者であった期間が、一定以上あること
ここでいう「失業の状態」は、ハローワークに来て求職の申込みをし、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるのに職業に就けない状態のことです。単に仕事を辞めただけでは当てはまりません。
被保険者期間の条件は離職の理由で変わります。
- 自己都合退職など(一般の離職者):離職前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上
- 倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者)や、やむを得ない理由の退職(特定理由離職者):離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上
病気やけが・妊娠・出産・育児などですぐに働ける状態でない人は、このままでは受給できません。ただし30日以上働けなくなった場合は、受給できる期間を延ばす制度があります(後ほど説明します)。
自己都合と会社都合は何が違う?
離職の理由によって、もらえるタイミングと日数が大きく変わります。
| 自己都合退職 | 会社都合退職 | |
|---|---|---|
| 給付制限 | 原則1か月(離職日が令和7年4月1日以降の場合。過去5年間に2回以上自己都合で離職していると3か月) | なし |
| 受給開始 | 待期期間7日と、給付制限が終わったあと | 待期期間7日が終わったあと |
| 必要な被保険者期間 | 離職前2年間に12か月以上 | 離職前1年間に6か月以上 |
| もらえる日数 | 90日〜150日 | 年齢と被保険者期間で変わり、90日〜330日 |
給付制限の期間はハローワークインターネットサービスの「自己都合退職の給付制限について」で確認した内容です。離職日が令和7年3月31日以前だと原則2か月で、現在とは違います。制度は変わることがあるので、手続きの前に最新の案内を見てください。
パワハラ・給与未払い・倒産などが理由の場合は「特定受給資格者」として会社都合の扱いになることがあります。離職票に書かれた離職理由に納得できないときは、ハローワークで相談できます。離職理由は日数にも給付制限にも関わるので、離職票が届いたらまず理由の欄を確認しておきましょう。
いくらもらえる?金額と日数の目安
1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職した日の直前の6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割った金額(賃金日額)の、およそ50〜80%です。賃金が低い人ほど割合は高くなります。ボーナスは計算に入りません。
たとえば直前6か月の賃金が月25万円なら、合計150万円を180で割って賃金日額は約8,300円。ここから所定の割合をかけた額が1日分の基本手当になります。実際の金額はハローワークで受給資格が決まったときに分かります。
基本手当日額には年齢ごとの上限があります(令和8年8月1日現在)。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |
もらえる日数(所定給付日数)は、自己都合退職など一般の離職者の場合、被保険者であった期間で決まります。年齢は関係ありません。
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合などの場合は年齢と被保険者期間の組み合わせで日数が変わります。自己都合より長くなることが多く、最長で330日です。自分の日数はハローワークで受給資格が決まったときに通知されます。
手続きの流れ
- 退職(会社から離職票が届くのを待つ)
- 住所地を管轄するハローワークで求職の申込みをし、離職票を提出する
- 受給資格が決まる
- 7日間の待期期間(この間は支給されない)
- 雇用保険受給者初回説明会に出席する(指定された日時)
- 自己都合の場合は待期のあとに給付制限期間がある
- 原則4週間に1度の失業認定日に、ハローワークで失業の認定を受ける
- 認定を受けた日から通常5営業日で、指定の口座に振り込まれる
離職票は退職から10日〜2週間ほどで会社から郵送されるのが一般的です。2週間たっても届かないときは、まず会社に発行の状況を確認します。それでも動かなければハローワークに相談しましょう。離職票がなくてもハローワークで仮手続きができる場合があります。
私も仕事を辞めたとき、ハローワークには何度か足を運びました。ただ自己都合だと当時は3か月ほど待たないと給付が始まらなかったので、たぶん失業手当はもらっていません。駅から結構歩く場所で、車を停めるスペースも少なく、行くのが面倒だったのも正直なところです。パソコンで見た求人票もぱっとしない印象でした。今思えば、地味でも良い会社はそれなりにあったのかもしれません。
給付制限は今は原則1か月と、昔より短くなっています。
失業の認定を受けるには求職活動の実績が必要
失業認定日にハローワークへ行けば自動でもらえるわけではありません。認定を受けるには認定の対象になる期間中に、求職活動をした実績が必要です。回数は原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上。ただし基本手当の最初の認定日までの期間は1回で足ります。
実績として認められるものの例は次のとおりです。
- 求人への応募(応募書類の送付、面接など)
- ハローワークでの職業相談や職業紹介、セミナー、講習会への参加
- 許可・届出のある民間の職業紹介事業者などが行う職業相談・職業紹介、セミナー
一方、求人情報をインターネットや新聞で眺めただけ・知人に「仕事ない?」と聞いただけでは実績になりません。何が実績に数えられるかは、管轄のハローワークの案内で確認しておくと安心です。
ハローワークの職業訓練という選択肢もある
ハローワークでは仕事に必要な知識や技術を学べる職業訓練(ハロートレーニング)も案内しています。受講料は無料で、テキスト代などは自己負担です。
- 公共職業訓練(離職者訓練):主に雇用保険を受給している人が対象。訓練期間はおおむね3か月〜2年
- 求職者支援訓練:主に雇用保険を受給できない人(受給が終わった人も含む)が対象
受講できるかどうかや訓練中の給付の扱いは人によって条件が違います。気になる講座があれば、受講の申込みをするハローワークの窓口で聞いてみてください。
私もハローワークで技術を身につける講座があるのを知って、受けるのもありかなと思ったことがあります。結局は先に仕事が見つかったので、受講はしていません。
退職代行を使った場合の離職票はどうなる?
退職代行を使って会社に出社せずに辞めた場合でも、離職票は通常どおり会社が発行し、自宅に郵送してくれます。会社と直接やり取りする必要はありません。
ただし会社が対応を渋る・郵送が遅れるケースもあります。労働組合や弁護士が運営する退職代行なら、離職票の発行についても会社側へ交渉してもらえるので安心です。
- 男の退職代行の評判(男性専門・労働組合運営)
- 円満退職ユニオンの評判(労働組合・交渉権あり)
手続きに必要な持ち物
- 離職票(1・2)
- マイナンバーカードなどの個人番号確認書類
- 運転免許証などの身元確認書類
- 最近の写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
ハローワークによって求められる書類が違う場合があるので事前に管轄のハローワークの案内を確認しておくとスムーズです。マイナンバーカードを持っていない場合の確認書類は、窓口や電話で聞いておきましょう。
退職後は失業保険の手続きと並行して健康保険の切り替えも必要です。国民健康保険・任意継続・家族の扶養のどれを選ぶかで負担が変わるので期限も含めて退職後の健康保険の選び方で確認しておいてください。
受給できる期間は原則1年。後回しにしない
基本手当をもらえる期間(受給期間)は、原則として離職した日の翌日から1年間です。所定給付日数が330日の人は1年30日、360日の人は1年60日になります。のんびり構えているとこの期間が過ぎて受給できなくなるので離職票が届いたら早めに動いてください。
病気・けが・妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上働けなくなったときは、働けなくなった日数だけ受給期間を延長できます。延長できるのは最長3年間です。働けない状態が続くときは、期間が終わる前にハローワークへ相談してください。
よくある質問
Q. 転職先が決まっていても失業保険はもらえる?
もらえません。失業保険は「就職しようとしているのに、職に就けない状態」が前提です。次の職場の入社日が決まっている場合は対象外になります。
Q. アルバイトをしながらでも受給できる?
働いた日や収入は失業認定のときに必ず申告します。働き方や収入によってはその分の基本手当が支給されなかったり、減額されたりすることがあります。無申告で受け取ると不正受給になるおそれがあるので、始める前にハローワークで確認してください。
Q. 給付制限期間中に転職活動してもいい?
問題ありません。むしろ認定を受けるには求職活動の実績が必要です。求人への応募や民間の職業紹介事業者での職業相談などは実績に数えられるので給付制限の間から進めておくと動きやすくなります。
Q. 離職票がなかなか届かないときは?
退職から2週間ほどたっても届かなければ、会社に発行状況を確認します。それでも届かないときはハローワークに相談してください。離職票なしで仮手続きができる場合もあります。
Q. 手続きを始めるのはいつまでに?
基本手当をもらえる期間が原則として離職の翌日から1年間と決まっています。待期や給付制限の期間もこの1年に含まれるので離職票が届いたら早めにハローワークへ行くのが基本です。
まとめ:手続きを後回しにしない
失業保険は退職の理由によって、受給開始のタイミングと日数が変わります。離職票が届いたら早めにハローワークへ行くことが結果的に一番の近道です。
認定には求職活動の実績が必要なので、この機会に転職エージェントへの相談も進めておきましょう。
転職エージェント選びで迷っている人は転職活動は何から始める?【まず登録すべきものリスト】も参考にどうぞ。
確認した公開情報(2026年10月7日時点):基本手当について(ハローワークインターネットサービス)/基本手当の所定給付日数/雇用保険の具体的な手続き/自己都合退職の給付制限について/ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)(厚生労働省)/求職活動実績の範囲等について(北海道労働局)
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